トレーラーお清め事件

１９９４年の秋の事だったと思います。

キャンプに行くため金曜夜に自宅を出発。キャンプ場にほど近い山の頂上の駐車場を目指して真っ暗な山道を登り始めて約１時間、山頂に到着しました。
さぁ、トレーラーに移動するゾ、とエントランスのドアを開けた瞬間に芳醇な酒の香りを感じたのですが、最初は何が起こったのか気づきませんでした。
車内に入ってベッドメークをしようとしたところ、メインダイネット（ソファベッド）の上に置いてあったコンテナの中で他の食材と一緒に立ててあったはずの日本酒の一升瓶が倒れているのを発見。

よく見ると・・・ゲゲッ、ほとんど手つかずだったはずの一升瓶が空っぽになってる！
そう、開封済みであるにもかかわらず、しっかりと栓をしていなかったために、山道走行中に倒れて栓が抜け、中身が全部流れてしまったのです。
とは言うものの食材用コンテナの中でのこと・・・なんですが、そのコンテナは折り畳み式で底部には隙間があります。つまりこぼれた大量の日本酒はコンテナ内には溜まらずにすべてベッドのマットの上に流れていたのでした。

で、そのマット、メインダイネットのものですからそこそこの大きさがあります。
幅が 110cm、奥行きは 60cm、厚み 13cmです。表面は布地のカバーですが中身はウレタンフォーム、大きなひとつのスポンジです。　その大きなスポンジが、１．５リットルほどの日本酒をすべて吸い取ってしまいました。　それが何を意味するのかというと・・・、雑巾やタオルでマットを拭いても酒は取れないのです。
深夜のＰ泊地で悪あがきをしても始まらないので、その日は一家４人、酒蒸しになりながら寝ました。　特に、「一升酒マット」の上に直接寝ていた子供やおかーちゃんは、気持ちよく安眠できたみたいです。アロマセラピー効果かしらん。(^^;

さて次の日キャンプ場に着いてから、くだんのマットを車外に出しました。軽いはずのマットが日本酒を吸って、ずっしりと重くなっています。(^^;　天気の良いキャンプ場で丸一日干したらなんとかなるかと思ったら・・・まったく乾かない！　それどころか、ウレタン全体がベトベトした感じになってしまっています。　スポンジ内の水分だけが飛んで、日本酒の糖分が残ってる、って感じです。こりゃヤバイ！という事で、帰宅してからきちんと水洗いする事にしました。

さらにそこからが大変。自宅の風呂場の洗い場にマットを置いてシャワーの水をかけながら踏んづけて洗うところまでは良かったのですが・・・、大量の水を吸った巨大なスポンジはとてつもなく重たくなってしまいました。　とてもじゃないが持ち上げられないくらい。　必死に踏んづけて水を追い出して、なんとかベランダの物干し場に運びました。
キャンプ場で干したときの経験で、すぐには乾かない事は分かっていましたが・・・ホントに乾かない。　丸一日干しても、２日干しても・・・、表面は乾いてもギュッと踏んづけると水がしみ出てきます。　踏んづけるのをやめると、その水がまた吸い取られてしまいます。　スポンジだから。
結局まるまる１週間、天日に干し続けてなんとか湿っぽさが消えて元通りの軽さに戻りました。

めでたしめでたし。

さて、この事件で私が得た教訓です。

1. トレーラーの積み荷は荷崩れ注意
   
   • 自走式などの場合には、荷崩れした事に運転者や同乗者が気づきやすいですが、トレーラーだと難しいです。　今回の場合、車内が酒臭くなれば、自走式ならすぐに気づいていたはず。
   • コンテナだけでなく、冷蔵庫やクローゼット、戸棚などの扉が突然開かないように、出発時や途中休憩時によく確認する必要があります。
   • 飲みかけの一升瓶のようなものは、決して倒れないように、あるいは倒れて中身が流出しても大丈夫な容器に入れて積んでおく必要があります。
   • カセットトイレのシャッターをきちんと閉めておかないと、日本酒よりも大変なことになります。(^^;;;
2. マットの水洗いは大仕事
   • 巨大なスポンジに水を吸わせてしまうと始末が大変。重たくなるし乾かない。くれぐれもキャンプ場などの外出先で水洗いをしないこと。

と、言うことで、９４年に起こった我が家の「トレーラーお清め事件」でした。