運転免許技能試験　受験の手引き

1999年3月18日に府中運転免許試験場で牽引免許の受験申請をした際に貰った「受験の手引き」（Ａ５版１７ページ）の内容を、書き写したものです。

読んでいただくと分かりますが、文中に「ワザとらしく、ゆっくりと走らないこと」というような記述があります。　まるで受験生自身が書いているような言葉ですが、なんと、これも「警視庁」からの言葉です。

漢字や送りがなの使い方、句読点なども原文に忠実に書き写したつもりですが、タイプミス等があるかもしれません。　誤字脱字などの御指摘はもちろん大歓迎です。
HTML文書ですので体裁の違いはご勘弁下さい。

とりあえず、私自身には関係しない部分に関しては「省略」してしまっている事をご了承下さい。　

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受験の手引き

技能試験を受ける方のために

目次

第１　受験のポイント

１．初めて普通免許を受ける方のために

(1) どんなことを重点に練習してきましたか
(2) 車体の大きさに自信がありますか
(3) どんな人に教えてもらいましたか
(4) どのくらいの時間を練習してきましたか
(5) 練習を続けてきましたか

２．過去に普通免許をもっていた方のために
　　（大型・けん引・その他学科試験免除の方も同じ）

(1) 交通ルールを正しく守るクセがついていますか
(2) 正しい操作の基本を忘れてしまってはいませんか

３．第二種免許の技能試験を受ける方のために

(1) 第二種免許とは、どんな意味をもっているのでしょうか
(2) 旅客自動車を利用する人の立場から
(3) 安全に、快適に、速い運転とは
(4) 基本プラス円熟

第２　安全運転のポイント

１．通行区分
２．アクセル加速
３．進路を変えるとき
４．右折するとき
５．左折するとき
６．交差点に入るときや、直進するとき
７．一時停止
８．障害物のそばを通るとき
９．ブレーキのかけかた
１０．バックするとき
１１．狭いところ

第３　走行順路について

第４　次の場合は受験延期となります

第５　試験終了後の手続き

１．府中試験場の場合
２．鮫州試験場の場合
３．取得時講習を受ける方へ

第６　ワンポイントアドバイスについて

第７　きょうの結果からみたアドバイス

第１　受験のポイント

１．初めて普通免許を受ける方のために

(1) どんなことを重点に練習してきましたか

省略

(2) 車体の大きさに自信がありますか

省略

(3) どんな人に教えてもらいましたか

省略

(4) どのくらいの時間を練習してきましたか

省略

(5) 練習を続けてきましたか

省略

２．過去に普通免許をもっていた方のために
　（大型・けん引・その他学科試験免除の方も同じ）

(1) 交通ルールを正しく守るクセがついていますか

「交通規則は知っているが、そのとおり守っていたのでは道路は走れない。」という意識がありませんか。　それが、いつの間にか交通法規を自分の都合のよいように解釈してしまうのです。　たとえば、一時停止のところを徐行で通過したり、左折するのに巻込み防止のことを忘れていたりあらかじめ左にも寄らず交差点を大回りしたり、徐行速度が速かったりなど・・・こんな運転ではダメです。　学科免除といっても技能試験で交通法規を正しく守れなければなりません。

(2) 正しい操作の基本を忘れてしまってはいませんか

あなたは運転の経験者ですから、なにが運転に大切かは、よくご存じのはずです。　しかし、運転経験が長くなるほど基本を忘れ、いつの間にか自分好みの運転をするようになりがちです。　間違ったクセがついてしまうこともあります。　誰でも自分の運転は最高だと思いたくなるものですが、あなたは本当に大丈夫なのですか。　念のため専門の指導者に見てもらってください。

３．第二種免許の技能試験を受ける方のために

(1) 第二種免許とは、どんな意味をもっているのでしょうか

第二種免許の受験資格は、ひと口に”３年以上の運転経験（免許期間）がなければならない”ということは、ご承知のとおりです。　つまり、プロとなるにはそれ相当の経験を必要とすることが前提要件になっているわけです。　しかも、ここで言う運転経験というのは、ただ何万キロも乗り回していればいいというものではなく、正しい運転の積み重ねのことをいっているのです。　しかも普通第二種免許は 2,000ccクラスの乗用車を、大型二種免許はバスの運転についての正しさがなければならないわけです。

(2) 旅客自動車を利用する人の立場から

旅客自動車に乗る人は、料金を支払わなければなりませんが、それは利用者の目的地に安全、快適かつ、早く輸送してもらう代償として支払っているわけです。　あなたは、これにこたえるために、より安全に、より快適に、より速い運転をしなければなりません。

(3) 安全に、快適に、速い運転とは

『安全』ということは、プロになろうとしているあなたには釈迦に説法かもしれませんが、交通ルールを正確に実行するのは安全のうちのひとつといえましょう。　しかし、実際問題として「交通規則は知っているが、そのとおり守っていたのでは道路は走れない」という意識があなたにはありませんか。　それがいつの間にか交通法規を自分の都合のよいように解釈してしまうのです。　たとえば一時停止で停止線を超えてとめたり、徐行で通過したり、左折するときにあらかじめできる限り左に寄らなかったり、交差点で大回りしたり、徐行速度が速かったり・・・・・・など。
あなたは間違っていないと思っていても、それがひとりよがりになっていることもたくさんあるはずです。　運転経験が長くなるほど基本の正しさを忘れてしまい、自分の好みの運転をするようになりがちなものです。　間違ったクセがついてしまうこともあります。
『快適』ということは、円滑な運転にも通ずることで、旅客自動車には安心して気持ちよく乗っていられるようでなければなりません。
次に『速く』といっても、取締まりの目をかすめてとばしたり、徐行すべきときに速度を下げなかったりすることをいっているのではありません。　乗客の目的地まで無駄のない路線を運ぶということなのです。

(4) 基本プラス円熟

安全でしかも円滑な運転のポイントは、あくまでも基本に忠実であることです。　二種免許の場合は、それにプラス円熟という点が一種免許と違うところなのです。　バスではお年寄りや子供が立っていることも考えなければなりません。　さまざまな人を乗せている旅客自動車では急ブレーキは絶対避けなければなりません。　滑らかな発進、加速、停止など常に乗客のことを考えた車の扱い、操作方法、運転に必要な感覚などが求められます。　しかし、基本に忠実とばかり、わざわざ初心者なみのやり方をしてみせたり、ギクシャクしたやり方でもいけません。　要するにプロフェッショナル（鍛えあげられた専門家）らしさがなければならないのです。　運転のマナーもプロらしく他の模範となるようでなければいけません。　きょうは乗客の代わりに試験官が乗ります。　しかし、乗客が試験官だということで殊更気を使う必要はありません。　たとえば切り返しを必要とするとき黙ってやってください。　いちいち「バックします」などと断る必要はありません。

第２　安全運転のポイント

１．通行区分

1. 車両通行帯のない道路で、並進するだけの幅員のないところは、道路の左側部分のほぼ中央を通る。
2. 車両通行帯のない道路で、並進して通れる幅員のあるところは、左に寄って通る。
3. 通行区分が指定されていない道路の車両通行帯は、一番左の通行帯を通る。　ただし、駐車車両などの障害物が点在しているようなところは、その区間のすぐ右側の通行帯を通る。
4. 道路の右側部分にはみ出すことができる場合で合っても、対向車などの交通を妨げないようにする。

２．アクセル加速

1. 発進後やギアアップ後は、アクセルペダルを力強く踏み込み、短時間のうちに、しっかり速度を上げる。
2. 速度を十分出してからギアアップをする。
   図　省略
3. ギアチェンジは速度に応じて行う。（特に減速チェンジは速度が下がり、今のままのギアではアクセル加速がきかない状態のときに行うのが一般道路での方法です。初心者がカーブや交差点の手前で速度を十分に下げないでギアダウンをしようとするとブレーキやハンドルが不安定になります。）
4. バス、トラック、けん引車で平坦地やゆるい勾配地で発進するときはセカンドギアでもかまわない。
   （試験条件）徐行又は減速区間以外では、力強い加速をして走ること。（ワザとらしく、ゆっくりと走らないこと。）
   試験官が指定した区間では、指示された速度を出すこと。

３．進路を変えるとき（右折や左折をしようとするときを含む。）

1. 後方の状況をバックミラーで確かめ、合図を出す。（下図のＡ）
2. 合図を出してから３秒たったところで、進路を変えようとする側の後方の安全をバックミラーで確かめるほか、バックミラーの死角（斜め横）を直接目視で確かめ、よければ進路を変える。（下図のＢ）　（ワザとらしい確認のかっこうをしたり、うしろを振り向かないこと。）
3. 後方に車があるときは、彼我の距離や速度を見定め、後車に妨害を与えないようにして進路を変える。
4. 進路を変え終わったら合図をもどす。（下図のＣ）
   
   図 省略
   
   （試験条件）安全確認の方法は、進路を変えるとき以外でも自分の目とバックミラーによって行うこと。
   

４．右折するとき

1. あらかじめ道路の中央に寄るため、交通量がない場合でも、交差点から３０メートル以上手前で進路を変え終わる。（下図のＣ）
2. 道路の中央線から０．５メートル以上離れないように進行し、交差点の手前３０メートルで合図を右へ出す。（下図のＤ）
3. 交差点に入る直前で、速度を下げ交差道路の右と左の安全を確かめる。
   （ワザとらしい確認のかっこうをしないこと。）（下図のＥ）
4. 徐行して、交差点の中心（標示）のすぐ内側を回り、合図をもどす。（下図のＦ）
5. 交差点を直進しようとしたり、左折しようとする車があるときは、その車を先行させる。
   
   図　省略
   

５．左折するとき

1. あらかじめ道路の左側端へ寄るため、交通量がない場合でも、交差点から３０メートル以上手前で進路を変え終わる。（下図のＣ）
2. 二輪車などが側方に入ってこないようにするため、道路の左側端に０．７メートルくらいまで寄って進行し、交差点の手前３０メートルで合図を左へ出す。（下図のＤ）
3. 交差点に入る直前で速度を下げ、バックミラーにより左側方に二輪車などがないか確かめて（巻込み防止のため）、続いて交差道路の右を確かめる。（下図のＥ）（ワザとらしい確認のかっこうをしないこと。）
4. 交差点で徐行し、すみ切りの曲線部分から左後車輪が１メートル以上離れないようにして回り、合図をもどす。　後車輪操向の大特車は左前車輪が１メートル以上離れないようにして回る。（下図のＦ）
   
   図　省略
   

６．交差点に入るときや、直進するとき

1. 広い幅員の交差点や優先道路の交差点に入る直前で速度を下げ、交差道路の右と左の安全を確かめる。（ワザとらしい確認のかっこうだけでは駄目です。）
2. 見とおしがきかない交差点や優先道路や幅員の広い交差道路に入るときは、徐行する。（必要がなければとまらないで。）
3. 交差道路を左方から交差点に入ろうとする車や、優先道路や幅員広い交差道路から交差点に入ろうとする車には、進路をゆずる。　お互いに停まったときは、ゆずった車は手で合図を送り、ゆずられた車はいつまでも停まっていない。（ゆずられたらあいさつを忘れずに。）
4. 青信号となったため、先頭となって交差道路に入るときは、交差道路の右と左を確かめる。
5. 交差点の間近で黄色信号になったため、停止するには急ブレーキとなるおそれがあるときに限りとまらずに注意して交差点を通り抜ける。

７．一時停止（踏切でも同じ。）

1. 停止線の手前０．５メートルから１メートルまでの範囲に、フロントバンパーがあるようにする。　大特車は作業機具の先端があるようにする。
2. 一時停止の指定場所や広い道路に出るところで停止線がない場所では、交差道路に車体が入らないようにしてとめる。
3. 前車があるときは停止線の手前で、停止線がない場所では交差道路の手前で、あらためてとまりなおす。
4. 前車に続いて停車するときは、前車との距離を１．５メートル以上あける。
   （試験条件）　坂道発進は、試験官が指示したところでとまり、とまったらすぐに発進すること。坂道以外でも停止後必要がなければ、すぐに発進すること。（いつまでもとまっていないこと。）
   （試験条件）　発着点に戻ってきたときは、指定されたポールに車体の先端をそろえ左側端に寄せてとめる。　バスは乗降ドアーの中心とポールをそろえること。　大特車は作業機具の先端をそろえること。

８．障害物のそばを通るとき

1. 動いている車や、人が乗っている車のそばを通るときは、１メートル以上あける。
2. 建造物や不動障害物や、乗車している者が明らかにいない車のそばを通るときは、０．５メートル以上あける。
3. 上記の間隔がとれないときは、いつでもとめられる速度に下げ、安全を確かめながら通る。

９．ブレーキのかけかた

1. クラッチは、停止直前かギアチェンジのとき以外は、きらない。（エンジンブレーキング）
2. アクセルを踏む必要がないときは、いつでもブレーキペダルに足をのせておく。（ブレーキの構え）
3. いつも（カーブの手前だけでなく、どこでも）ブレーキは早めに踏みはじめ、途中で２〜３回ペダルを戻し、徐々に速度を下げる。　１回目は速度の１／３から１／２程度下げ、２回目は残る速度の１／３から１／２程度下げ３回目は静かに軽く踏むようにして、一気にブレーキを踏みこまない。（ブレーキの断続）
4. カーブにかかってからブレーキをかけることのないように、カーブの手前までに速度を下げておく。
5. カーブの後半に入ったら、加速をはじめる。（加速がきかないようならすぐギアダウンをする。）　速度を下げずにギアダウンしない。
6. 信号待ちなどで停車している間は、ブレーキペダルを踏んでいるか、ハンドブレーキをかけるかする。（停止中のブレーキ）

１０．バックするとき

1. 方向変換や縦列駐車では、先ずバックしていく場所の安全を、直接目視で確かめる。　（とまって確かめてもよい。ハンドル操作のため縁石などを目標に見るのはこの確認にならない。）（図のＡ）
2. バックする直前に、後方を直接目視と、バックミラーで確かめる。（図のＢ）
3. バックしながら車体前端や反対側の安全を直接目視とバックミラーで確かめる。（とまって確かめてもよい。）
4. とまるまで後方を、直接目視とバックミラーで確かめる。（図のＣ）
   
   図 省略
   
   （試験条件）縦列駐車をする場合は、　省略
   
   （試験条件）けん引車の方向変換のバック完了は、前後の車体を直列にし、できたときに試験官に知らせること。
   
   図　省略
   
   （試験条件）切返しや幅寄せは３回まで。

１１．狭いところ

1. 速度は思いきって下げ、低速ギヤでゆっくり走る。
2. 障害物に接近していくときは、間隔に十分注意する。（とまって確かめてもよい。）
3. 通りきれそうもなかったら、無理をしないで戻ってやり直しをする。
   （試験条件）縁石に車輪がつかえたり、乗り上げたらすぐとめて戻ってやり直しをすること。
   （試験条件）二種免許の鋭角コースは、１回以上３回までの切返しをして通過すること。

第３　走行順路について

走行順路は、試験中に教えます。指示通りに走ってくればよいのです。　試験コースが決まっていると思うから、間違えたら大変だと心配になるのです。　不安な気持ちで運転すれば運転も不安になります。　試験官はあなたの持つ実力をなんとか引き出そうと努力し、特に走行順路に対する心理的負担をかけまいと苦労しています。　教え方がはっきりしなければすぐに聞きなおしてください。　もし間違えてもあわてずに、試験官の指示どおりのコースを正しく運転すればよいのです。（府中コースの中の番号板は、黄色が交差点を、白色が普通車の狭路の入り口を、赤色が大型車の狭路の入り口を示しています。）　なお、念のために申しあげておきますが、不合格がはっきりしたときは、走行順路の一部を省略することがあります。　また全部走ったから合格ということもありません。

第４次の場合は受験延期となります

省略

第５　試験終了後の手続き

１．府中試験場の場合

(1) 合格見込みのとき

試験が終わったときに、技能試験室で待つようにいわれた方は、免許交付手数料としてきめられた額の収入印紙を用意して、２階の技能試験室で正式の合格発表を待ってください。

(2) 再試験の申請をして帰る方

試験が終わった直後に、再予約票を渡された方は不合格です。　収入印紙（受験料）を準備してカードで予約をして下さい。　「受験票交付」窓口から名前が呼ばれます。　証紙を差し出し、納付書へ貼って「受験票」を受け取りお帰り下さい。

(3) 再試験の申請をしないで帰る方

練習の都合やその他の理由で、次回試験を申し込まない方は、そのままお帰り下さい。　再予約する場合は、上記(2)のとおりです。　但し、当分の間受験予定のない方は、予約カードを窓口に返して下さい。

２．鮫州試験場の場合

省略

３．取得時講習を受ける方へ

省略

第６ワンポイントアドバイスについて

試験官は常に公平な立場で一人でも多くの合格者が出ることを願っております。　しかし、この手引きに書いてあるような受験のポイントや安全運転のポイントからはずれている場合は試験が終わってから、なにが不足しているのか、どこが間違っているのかというようなことをアドバイスしますが、まだ試験中のことでもあり、時間の制約もあるのであまりくわしく説明することができません。　特に目立ったことだけをこの手引きにマーキングしてアドバイスするわけです。　くわしくききたい方は、試験が全部終わってからお話ができますから、技能試験課にある『技能相談コーナー』へ、その日のうちにおいでください。　技能相談コーナーでは、そのほかのことでも相談に応じます。　お気づきの点などご意見も遠慮なくお聞かせください。　受験者のなかには、知ったか振りをして、いい加減なことをいっている人もあるようですから、そんなことにまどわされないように、疑問な点は直接相談コーナーでお尋ねください。　ただし、試験のやり直しはいたしません。

（注意）一人で二枚以上の申請書を出すと二重申請として全て、取消されます。

第７きょうの結果からみたアドバイス

（くわしいことは、この手引きの第１、第２を読んでください。）

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